2010.04.07
カワイイの先輩「花村えい子のハッピーガールズコレクション」
若ーいころ、なんとなくスタイリングがうまくいったとき、
「わー、カワイイ」を連発した。
ある日、ディレクターに「ヤッコさんは何でもカワイイなんだね」と
言われた。
そんなことを自慢しようと思ったら、もっともっと尊敬すべき
カワイイの創造者がいた。

60年代、「霧のなかの少女」(週刊マーガレット)などで人気マンガ家と
なった花村えい子さん。
今、彼女がキラキラ輝いていると聞いて、新しい本の出版記念パーティに
うかがった。

本の中に出てくる少女たちのファッションは、すごくおしゃれで新鮮だ。
黒白の短いセーターと赤いミニスカートの少女に寄り添うのは、
胸に大きくABCと描かれたハイネックのセーターを着たロングヘアの男の子。
ベルベットのリボンとブローチで作ったチョーカー(首飾り)や
小さめのスカーフ。
「霧のなかの少女」の黒いケープとブーツ、私もこんなスタイルをしてたはず。
そう、帽子から靴まで、命がけでおしゃれしてたあの頃の私と重なる。
彼女の60年代、70年代の原画が600枚ほど発見されて、プラス現在の
イラストレーションを加えて、パリで展覧会をして大好評だったという。

花村さんご自身が、とっても美しい。
髪をピンクに染めて、黒いコートに身を包んだ写真があったけど、
なんて素敵!!
会場でトークショウがあり、なんと里中満智子さんがいらしていた。
私は彼女のファンでもあったので、テンションが上がってしまった。
プロデューサーの秋山道男さんに「あの頃は、絵そのものになにか
『情』があったのよね」と話しかけたら、秋山さんの目がキラリと光った。
家に帰ってから彼の文章を読んだら、やはり『情』ということが書かれていた。

この本の装丁は森本千絵さん。
彼女は正真正銘の花村さんのファンで、子供のころから花村さんの絵を見て
育ち、いつかはこのような少女たちになりたいと夢見てきたとか。
それで、花村さんの世界にかかわれたことの素晴らしさを
「小さな頃の私に話したい」と語ってくれた。
そういえば数日前、あるラジオ局に行ったら、タイムテーブルを載せた小冊子を
いただいた。それは一目で千絵さんのデザインと分かるものだった。
担当の方が「森本千絵さんにお願いしたんですよ」とちょっと自慢そうに
おっしゃった。
千絵さんのデザインの中には、ほのかなかわいらしさとほんの少しのゆるやかさ
がある。
みんな、そういうニュアンスを求めているのかも。
それにしても、花村さんも千絵ちゃんも小顔だわー。
「花村えい子のハッピーガールズコレクション」 アスペクト 1700円+税
高橋靖子
日本のスタイリストの草分け的存在。現在も、広告、CMなど第一線で活躍中。71年、ロンドンで山本寛斎氏とファッションショーを成功させ、その後、「ジギー・スターダスト」期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当。鋤田正義氏によるデヴィッド・ボウイやT・レックスの撮影をアレンジしたことでも知られる。著書に『表参道のヤッコさん』『小さな食卓 おひとりさまのおいしい毎日』『わたしに拍手!』などがある。

