2011.04.19
続「アレクセイと泉」ふたたび 第52回ベルリン国際映画祭
「アレクセイと泉」にはじめてかかわったときと同じように、
いつの間にか、ベルリン映画祭に連れて行っていただけることになった。
ベルリンは何度か行ったことがあるけれど、映画祭は初めて。
どんなことがあるのだろう。

私たちが乗った飛行機は、エコノミーの後方の席だった。
そして滞在するホテルも、ベルリンの市街から離れた、質素な所だった。
(ホテルに関しては、監督だけは映画祭の招待によって市内のホテルだった。
プロデューサーの神谷さだ子さんと私は市内に出かけた時、通訳の女性の
部屋のお風呂を使わせてもらった)
でも、そういうホテルだからこその出会いがあった。

ホテルには、東南アジアの若い映画スタッフがたくさん滞在していた。
朝食のときにお互いに声を掛け合い、お互いの上映情報を交換したりした。
彼らが創った映画は、興味があったし、観たいなーと思った。
でも、残念ながら、せっかく仲よしになった頃、私たちは帰国
しなくてはならなかった。
同じ理由で、ベルリナー新聞賞・国際シネクラブ賞をいただいたが、
本橋監督もいっしょに帰国したので、授賞式には出られなかった。
「アレクセイと泉」は、会期中前半に3回上映された。
会場にはそれぞれの出品作品を紹介するブースがあったが、私たちの
ブースはそれほど華やかではなかったと思う。
1回目、会場のお客はまばらだった。2回目、数十人だった。
それで、3回目にはスタッフで食事に出て、終演時間ごろ会場に行った。
最後のスタッフロールになったとき、私たちは会場のドアを開けた。
するとどうだろう、会場はなんと満員だった!
観客は本橋監督をみとめるやいなや、総立ちになり、拍手が
まき起こった。
スタンディング オベィションの中、私たちは呆然としてしいた。
最初に観てくれた数少ない人たちのクチコミで広がったに
違いなかった。
私は密かに、あともう一回、上映のチャンスがあったら・・・と
心の中で思ったけど、それは欲張りだったろうか。
とにかく、この出来事で私たちは一気に幸せになった。
最後に音楽のエピソードをもうひとつ。
監督によると、坂本龍一さんはアレクセイが好きになり、彼の
ための曲を3曲余分に創った。監督はその中の1曲を使い、
あとの2曲をお返ししたという。
その時坂本さんは「曲を返されたことは初めてだなー」と
おっしゃったそうだ。
今、この困難な時代を考え、自分が人生の岐路に立っていることを
考える。
このような時に、この映画が静かに輝いて、たたずんでいる。
真の創造の生命は消えることがないのだ、と再確認させられた。
と同時に、私も新たな生き方を見つけなければならない。
人生それほどの猶予はないのだから、と自分に言い聞かせている。
参照
2010.10.12「ベルリンの壁」
(http://blog.madamefigaro.jp/yasuko_takahashi/post-16.html)
「アレクセイと泉」上映会Vol.2 .
4月29日(金) 14:30 開場、15:00 上映
17:00 ワインありでお喋りタイム
場所 : 代官山トゥモローランド本社ホール
(渋谷区恵比寿西1−32−18)
料金 : 1000円 パンフレット付き
お問い合わせ : movie@miznos.com
ポレポレ東中野「アレクセイと泉」上映スケジュール
4月23日(土)14:20 4月26日(火)16:40 5月2日(月)19:00
5月5日(木)14:20 5月6日(金)16:40
一般1400円 大専1200円 高中シニア 1000円 小700円
03−3371−0088 www.mmjp.or.jp/pole2/
高橋靖子
日本のスタイリストの草分け的存在。現在も、広告、CMなど第一線で活躍中。71年、ロンドンで山本寛斎氏とファッションショーを成功させ、その後、「ジギー・スターダスト」期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当。鋤田正義氏によるデヴィッド・ボウイやT・レックスの撮影をアレンジしたことでも知られる。著書に『表参道のヤッコさん』『小さな食卓 おひとりさまのおいしい毎日』『わたしに拍手!』などがある。

