2011.05.11
5月の清志郎
清志郎さんが旅立って2年。
命日の5月2日、武道館でロックンロールショウがあった。
清志郎さんはもういない。
だが、3月11日という日があって、ことのほか清志郎さんの存在を
強く感じるようになっていた。
オープニング、3つのスクリーンに映し出されたのは自転車に乗って
武道館に到着した清志郎さんの映像。出迎える人たちがいて楽屋入り。
メイクをして、衣裳を着て、ステージのそでに入ってゆく。
このリアルな映像を観た時点で私は「ここに清志郎さんがいる!」と確信した。
そのとたん、ステージで何人かのミュージシャンによって
「雨あがりの夜空に」が始まった。
それから、涙が止まらなかった。
清志郎さんはいる! でもいない・・・
清志郎さんはいない! でもいるんだ!
何か不思議な気持ちがくるくる回った。
周囲の若者たちは、それはそれとばかり、素直に乗りまくり、歓声を上げている。
それがうらやましいくらい良いのだ。
提供ベイビィズ 撮影:山本倫子
会場に、大きなバルーンが飛び交う。
懐かしい出来事。こんなふうに風船が飛んだよね。
私も若者の歓声に同化して、すっかり元気になっていった。
いろんなミュージシャンが、いろんな思いを持って
清志郎さんの曲を歌う。
不在の人が主人公になって、そこに存在し、時は流れて行く。
合計6時間という時間は、圧倒的だった。
確かに私は、生きて行くエナジーの大事な部分を
ごくごくとロックを飲みほすことによって、与えられている。
清志郎さんがみんなの中に、生き続けていることを、
熱狂のなかで再確認させてもらった。
宴が終わって、この想いを共有したくて、周囲をみたら、
「風とロック」の箭内さんがいた。
「6時間があっという間だったね」と彼はいった。
実は私は真ん中を中抜けしている。
とても悩んだ。
ウソ800並びたてても、この場を去るのは罪悪だ、
ここにいるべきだ...とさえ思った。
だけど、基本、よい子の私は打ち合わせのために抜けて、
また戻ってきた。
そして時間と時間をつなぎ合わせて、清志郎さんの世界に
浸ったのだった。
ありがたいことに、箭内さんの車に乗せてもらって、武道館を去った。
熱いロックのシャワーを浴びたあとの爽快感の中で
感想を述べあった。
私たち、これからも、清志郎さんと生きて行くんだよね。

清志郎追っかけ記1 http://blog.madamefigaro.jp/yasuko_takahashi/post-26.html
清志郎追っかけ記2 http://blog.madamefigaro.jp/yasuko_takahashi/post-27.html
高橋靖子
日本のスタイリストの草分け的存在。現在も、広告、CMなど第一線で活躍中。71年、ロンドンで山本寛斎氏とファッションショーを成功させ、その後、「ジギー・スターダスト」期のデヴィッド・ボウイの衣装を担当。鋤田正義氏によるデヴィッド・ボウイやT・レックスの撮影をアレンジしたことでも知られる。著書に『表参道のヤッコさん』『小さな食卓 おひとりさまのおいしい毎日』『わたしに拍手!』などがある。

