2010.05.31
東のフロレナ、西のニベア─ 続き ─ 
©Beiersdorf AG
左:1954年オーストリアの宣伝。右:1959年ドイツ
©Beiersdorf AG
1935年イタリア
©Beiersdorf AG
1962年イギリス
より大胆に!より溌剌と!
海でも山でも、どこへでも。婦女よ立ち上がれ!
さてさて、つよこはニベアのキャンペーンを頼まれた
製造元バイヤースドルフ社の回し者という訳ではないの。
かなり回り道をしたけど、つよこが書きたかったのは
「フロレナ」という裏ニベアの存在について。
©Beiersdorf AG
60年代の東ドイツのポスター
青と白の色使いからパッケージデザインにいたるまでニベアと
ほとんど同じでだから見過ごしてしまいそうだけど、いわゆる
東ドイツのニベアに相当する製品がフロレナだったの。
ニベアが資本主義の原則にのって世界市場へと拡張を続ける一方で、
フロレナは、1948年~89年まで存在した東ドイツ社会主義国家の
国産製品として東欧圏で販売されていた。
ニベアが光だとしたらフロレナは影。
分断の街ベルリンを象徴するような製品だといえるわ。
とはいえ、東ドイツ出身の友人いわく、フロレナも家庭にも
常備されている万能クリームとして人々に愛されてきたらしいの。
人の心(のすべて)が政治の手中にあるものではないことを
証明していてほっとさせるわ。
壁が開いて間もない頃、東ベルリン子の日常が知りたくて
東ドイツ製品をあさっていた時期があったの。
そこで見つけたのがフロレナ。不思議なことにあの独特の匂いや
クリームのテクスチャーまでニベア・クリームとまるっきり
同じだったのはどうしてかぴら? 不思議だわ~~。
そんなつよこの疑惑を裏付けるように2002年、フロレナは
バイヤースドルフ社に合併されてしまうの。
なんだか東ドイツと西ドイツ間には明かされていないことが
いっぱいあるみたい・・・
「つよこセンセ、覗き見はあくまでも個人レベルに留めておいてね」
というマチコのアドバイスが心に響く今回のお話。
「ゾクゾクする未知の世界への扉を開けて手招きしようかと思うの」
という意向でスタートしたこのブログ、
つよこのトラッシュな美貌が紡ぎだす世界とは別の意味で
背筋がスッとするテーマではあるわね。
ちなみに、今のフロレナのデザインはこれ。
スーパーではだいたい仲良く隣に並んでるから、
みなさんドイツに来たら両方ともチェックしてみてね。
©Beiersdorf AG
つよこ・フォン・ブランデンブルク
ベルリン在住のライター兼ドラッグクイーン(年齢・性別は不詳)。守備範囲はコスメ、ゴシップ、アート、建築に至るまで幅広い。豊富な人生経験と慈悲の心からつむがれる筆致にファンは多い。

