2010.03.16
3月11日 八幡さまの銀杏

ゆうべ居酒屋の女将から、八幡さまの銀杏が倒れたという話を聞いた。
強風で。10日の未明のことだったという。
思えば、鎌倉に越してきてから、八幡さまを通り抜けることはよくあっても
この神社のシンボルである大銀杏をじっくりと眺めたことはなかった。
見えてはいても、見ようとはしていなかった。ばかだったなと思う。
今日になってあわてて見に行ってみたら、根元からぱっくり折れた大銀杏が横たわり、
おおぜいのひとがその写真を撮っていた(私もそのなかのひとりとなる)。
明け方だったため、倒木によって怪我をした人もいなければ、
その瞬間を目撃したひとも、どうやらいないようだ。
きっと大きな音がたっただろうに、たったひとりで倒れたんだなあ。
身体にしめ縄をつけたまま倒れた神様の樹。
なぜだか、その瞬間が私には鮮明に想像できる。
その音も、想像できる。
鈴木るみこ
編集者。出版社勤務を経て渡仏後フリーに。仕事のテーマは、旅と詩と生活と美しいもの。みどりのゆびは授からなかったが、みどりをいじるのは好き。海と山のある町の庭つき一軒家で暮らす。

